ピラティスとは

ピラティスとは、ドイツ人看護師のジョセフ・H・ピラティス氏が、第一次大戦で負傷した兵士のリハビリのために開発したエクササイズです。
体の深層部にあるインナーマッスルを強化し、体全体のバランスを整えることで、背筋が伸びた美しい姿勢、しなやかで自由自在に動く肉体など、理想的な体と健康へ導いてくれます。

ピラティスで大切な3つのキーワード

(1) インナーマッスル

体の表層部には、自分の意志で動かすことが可能なアウターマッスルがついています。いわゆる「シックスパック」などの目で見てわかる筋肉ですね。
一般的に、スポーツジムでのウエイトトレーニングや筋トレで鍛えるのは、このアウターマッスルです。

一方、ピラティスでは、手では触ることができない場所にある深層筋のインナーマッスルを重視します。
触ることができず身体の感覚に意識を集中させる必要があるため、「ピラティスは難しい」とおっしゃる方が多いのもこの為です。

(2) 姿勢改善

ピラティスを続けることで期待できることは、姿勢がよくなってボディラインが変わることにほかなりません。

正しいポジションを意識しながらエクササイズをするとインナーマッスルが鍛えられ、姿勢が改善されるのです。
すると、自然と身体を正しく動かせるようになり、筋肉の凝りや痛みなどの解消にも繋がります。
身体の動きも滑らかになるため、ボディラインの変化、さらには所作も美しくなると言われる方が多いです。

(3) 胸式呼吸

ピラティスでの呼吸は、交感神経を活性化させる胸式呼吸が基本です。
息を吸う際にはしっかりと肋骨を広げて、たくさんの酸素を取り込みます。

胸式呼吸で胸に空気を深く吸い込むと、肋骨の下、お腹周り、さらには骨盤まわりのインナーマッスルまでもが動きます。
内臓の細胞を刺激することができるため、身体の内側から活性化されます。

ピラティスとヨガの違いは?

似たイメージのある2つのエクササイズ。
しかし、ピラティスとヨガ、その本質は全く異なります。

起源や目的が違う

ヨガの発祥の地はインドです。
ヨガの歴史は古く、紀元前3世紀にまでさかのぼります。修行のための瞑想が始まりでした。

それに対し、ピラティスは第一次世界大戦下のヨーロッパが発祥です。主にリハビリなどの身体機能を向上させる目的で考案されました。

効果や取り組み方が違う

ヨガがフォーカスするのは、どちらかといえば肉体よりも精神です。
ポーズをとり「静止」することが多いヨガは、深い呼吸に意識を集中させ、メンタルを落ち着かせる効果が期待できます。
心身をリラックスさせたい人におすすめです。

一方ピラティスは、とことん肉体にフォーカスします。
ほぼ「静止」することなく動き続けるのが特徴であり、続けることで筋力が上がり、姿勢や身体機能の改善・向上が期待できます。
筋力を強化し、しなやかでバランスの取れた身体づくりを目指す人におすすめです。

呼吸法が違う

呼吸を使い分けることで、エクササイズに適した状態へ身体を導くことができます。
ヨガは腹式呼吸、ピラティスは胸式呼吸です。

ヨガで行う腹式呼吸は、副交感神経を優位にし、心身をリラックス状態にします。
ピラティスで行う胸式呼吸は、交感神経優位にし、心身を活動的な状態にすることができます。

違いの結論

ヨガは身体をリラックスモードへと切り替え、心や精神の安定を重視します。

ピラティスは身体の活動スイッチをオンにし、インナーマッスルの強化や身体機能アップを重視します。

共通点も多い2つですが、本質の異なる2つ。
目的や好みによって使い分けると良いですね。